コラム:ダーニングとの出会い Kontacto

コラム:ダーニングとの出会い

by 中䑓麻奈美(まるみ縫製)

EAST WORKS: 「色遊びで楽しむ癒しのダーニング」の講師中䑓麻奈美さんのコラムをご紹介。

リーバイス501のデニムパンツを父から譲り受けたのは今から6年ほど前の事でした。日常に、旅に、使い勝手の良いお下がりのデニムパンツはすっかりわたしのお気入りとなり、膝に穴が空くまで履き潰していまいました。まだまだ着続けたいけれど大きな穴はやたらと風を通して寒く、しゃがむと更に破けるので着心地が悪い。どうにか穴を塞ぎたいという一心で始めたのが今のダーニング活動に繋がる第一歩だったのです。

実はその頃はダーニングという言葉も知らずに”穴、お直し”などと検索をかけ、見様見真似で針を刺していたのですが、そこまで夢中になった理由はずばり、色遊びの楽しさと時間を忘れて没頭できる充実感にあります。

ダーニングでは使う素材や色を自由に選べる分、直感に頼って作業する事が多いのです。無意識に手に取る色には、今の自分の精神状態が現れやすいので、色をきっかけに自分と向き合うのも良くあること。更に、色・素材・ステッチの組み合わせ次第で表現の幅は無限に広がります。また、偶然に重なる色によって懐かしい記憶が呼び起こされたり、繕っている品物との思い出を辿っていくと不思議とスムーズに運針が出来る様になるのもおもしろいところです。

そういう訳で夕食後に始めた作業が夜中の2時まで続くなんて事もありますが、疲れるよりもむしろ癒されている自分に毎回驚いています。
自由なだけがダーニングじゃないんですよね。色とりどりの中から色を選ぶゆったりとした至福の時間も小さな気づきを与えてくれるのも、全てひっくるめてダーニングの素晴らしさだと思います。

愛着のある物に新しい風を吹かせたい方、ものを慈しみ永く使いたい気持ちが少しでもある方は是非一度トライしていただければと思います。

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